世界中で猛威を振るう
新型コロナウイルス。
いつ収束するのか
先が見えない状況ですが、
科学的には世界中でさまざまな研究が進められています。
テレビやニュースで
「味がしなくなる」
「匂いを感じなくなる」
などの報道がされていますが、
これらの症状は本当に正しいのでしょうか?
そして、なぜ起こるのでしょうか?
今回は、そんなコロナウイルスの
味覚・嗅覚への影響を見ていきます。
中国でいち早く発表された
コロナウイルスに関する研究の一つに、
「コロナに感染すると味覚異常が起きやすい」
というものがありました。[1]
確かに、コロナウイルスに感染すると
味覚異常が出やすいようです。
そこでさまざまな研究が進められましたが、
コロナウイルス(SARS-Cov-2)を感じ取る仕組み(感染レセプターACE-2)が、
舌の上に多く存在する「味」を感じる器官(味蕾)にある、
ということがわかりました。[2]
そのため、ウイルスが
「味」を感じる器官(味蕾)の
味を感じ取る機能を妨げ、
味覚異常が起きるというわけです。
ウイルスに感染すると、
匂いを感じなくなるのでしょうか?
実際には、ウイルス感染による
上気道感染症(URI)が
嗅覚低下の14〜26%に関連していると言われ、
コロナウイルスによって
嗅覚異常が出るという報告も多く出されています。[3]
新型コロナウイルスにより嗅覚異常が起こるメカニズムは
まだ十分には解明されていませんが、
確かに、感染すると嗅覚異常は起きるようです。
では、どうして嗅覚異常が
出る人と出ない人がいるのでしょうか。
実は、嗅覚は20代をピークに
どんどん衰えていきます。
そのため、若い人は
感染により嗅覚が衰えることで、
ウイルス感染に気づくというわけです。
まだまだ楽観視できない
コロナウイルスの猛威ですが、
ワクチンが完成するのはまだまだ先だと考えられます。
今できることは、感染予防と免疫を上げること。
手洗い・うがいの徹底と、
お口を閉じて鼻で呼吸することで
免疫力を上げて、
この危機を乗り切っていきましょう!
[1] Wang Songlin et al (2020) Detection of 2019-nCoV in Saliva and Characterization of Oral Symptoms in COVID-19 Patients
[2] Hao Xu et al. High expression of ACE2 receptor of 2019-nCoV on the epithelial cells of oral mucosa. Int J Oral Sci. 2020; 12: 8.
[3] Loss of sense of smell as marker of COVID-19 infection. ENT UK. Claire Hopkins and Nirmal Kumar