前回お伝えした「キシリトール」ですが、近年ネガティブな論文も発表されています。
あくまで、体に悪影響を及ぼす「可能性」を示唆した論文ですが、ご紹介します。
2024年に発表された論文[1]では、キシリトールが血栓形成を促進する可能性を報告しています。
この研究では、キシリトールが血小板凝集を増加させ、血液凝固を促進するメカニズムが示されました。
さらに、長期的なキシリトール摂取と心血管疾患リスクの増加との関連性も示唆されました。
これらの結果は、キシリトール摂取の潜在的なリスクを示していますが、さらなる研究が必要と結論づけられています。
このキシリトールによる血栓形成促進の可能性は、以前に他の研究[2]でも、「キシリトールの摂取量が多い人ほど心血管イベントのリスクが高いのでは」と示唆されています。
しかし、どの程度の摂取量で、どの程度のリスクが高まるのかなど、まだまだその情報は確立されていません。
どのような薬も、量を間違えると毒になり得ます。
キシリトールは広く世界中で使われ、私たちの日常生活に溶け込んでいます。
今後もこうした情報にアンテナをはりつつ、キシリトールをうまく使っていきましょう!
[1]Hazen, S. L., et al. (2024). Xylitol is prothrombotic and associated with cardiovascular risk. European Heart Journal.
[2]Lin, X., et al. (2022). Xylitol consumption is associated with increased risk of cardiovascular events. Circulation.