在宅で高齢者を介護されている方にとって、病院に連れて行くことは大きな負担となります。
そんなとき、在宅介護におけるさまざまな介護サービスがありますが、訪問歯科診療もその一つです。
訪問歯科診療では、どのようなことができるのでしょうか?
訪問歯科診療では、さまざまな機材を持ち込み、歯科医院で行う治療と同じことができます。
例えば、「訪問歯科ユニット」。
歯を削るための「エンジン」や、水を吸う「バキューム」、歯石をとる「超音波」を搭載する機械です。
これがあることで、ほぼ全ての歯科治療を行うことができます。
「ポータブルレントゲン」は、自宅にいながらレントゲン検査も行うことができる機材です。
その他にも、入れ歯を調整する器材や、型取り、詰め物の機材など、医院で行う治療と同等のことを行うための機材がたくさんあります。
痛みがある方や、入れ歯が壊れてしまった方への歯科治療も重要ですが、それと同様に、あるいはそれ以上に重要なのが「口腔ケア」です。
口腔ケアを適切に行うことは、単なる歯の健康維持だけでなく、全身の健康に直結します。
例えば、誤嚥性肺炎を防ぐためには、お口の中の細菌を減少させることが重要です。
どうしても介護者の方々で、慣れない「人の歯磨き」を行うことには限界があります。
うまく汚れが取れていなかったり、痛みを伴ってしまったり、また逆に細菌をお口の中に広めてしまったりすることもあります。
そんな時、口腔ケアのプロである歯科衛生士が行うことで、リスクを低め、安全に口腔環境を整えることができます。
機械を使って歯科医院と同等の口腔ケアを行うこともあれば、患者さんの状況に応じて機械を使わずに行ったり、誤嚥に気をつけながら行うことも可能です。
歯科訪問診療は、「健康保険」診療と「介護保険」診療で成り立ちます。
自己負担率にもよりますが、一般的な「健康保険」の訪問診療費は、1回 360~1,100円程度(在宅・施設などによる)。
「介護保険」の費用は1回356~865円程度で、これはケアプランの限度額には含まれません。
交通費などは請求されないことが多いので、上記の費用に加えて、その時々の治療に関する保険診療の費用がかかるだけです。
訪問歯科診療は、介護サービスを受ける方にとって、大きなメリットがあると思います。
どうしても口腔ケアなど日常のお口の管理は後回しになりがちかもしれません。
それでも、介護者の方の負担も多い部分だと思いますので、専門家に任せることで介護者の負担も減らせると思います。
ぜひ、担当のケアマネにご相談してみてください!