2024 年度の介護報酬改定により、「口腔連携強化加算」が新たに設けられました。
この加算は、介護事業所が利用者様の 口腔健康をより適切に管理するため、歯科医院との連携を強 化することを目的としています。
前回のブログでご紹介したように、口腔の健康は全身の健康と深く関わっており、高齢者にとっ て適切な口腔ケアは、生活の質を維持するためにも非常に重要です。
しかし、これまでの介護保険制度では、歯科医療機 関との連携が評価される加算が存在しませんでした。
今回の改定で、歯科医院と連携した口腔管理が評価に加わっ たことで、歯周病や誤嚥性肺炎などを減らすことにつながり、 利用者様の命と健康、安心な生活を、よりしっかりと守れる ようになりました。
口腔連携強化加算とは施設だけではなく、訪問介護と訪問看護、訪問リハビリテーションなどの訪問介護事業所が算定できる加算です。
①地方厚生局に届出をする
②歯科医療機関とケアマネに情報提供する
ことで「50単位/回」を算定することができます。
「評価結果を歯科医療機関及びケアマネに情報提供する」ことは、口腔連携強化加算を算定するための重要な要件の一つです。
具体的には、訪問看護や訪問介護の事業者が実施した利用者の口腔の健康状態の評価結果を、書面や電子データなど適切な方法で歯科医療機関とケアマネジャーに伝えることを指します。
情報提供の内容としては、厚生労働省が示している以下の10項目を参考に、利用者の口腔の健康状態を具体的に記述することが重要です。
これらの情報提供を通じて、歯科医療機関は利用者の口腔状態を把握し、適切な歯科治療や口腔ケアの指導を行うことができます。
また、ケアマネジャーは、利用者のケアプラン作成にあたり、口腔ケアに関する課題を把握し、必要なサービスを検討することができます。
情報提供の様式は、厚生労働省のウェブサイトからダウンロードできる書式をご参照ください。
訪問介護事業所にとっては、これまで介護の現場で普段から行なってきた評価と同等の内容を情報提供することで加算ができるため、画期的な加算といえます。
ぜひ、お近くの訪問診療を行っている歯科医院にご相談してみてください。