在宅介護においても、口腔ケアが大切です。

要介護高齢者のうち、歯科医療や口腔健康管理が必要とされる方は約64.3%にも及びますが、その中で実際に過去1年以内に歯科を受診した方はわずか2.4%しかいないという調査があります。

そのため、多くの要介護者は、口腔状態が悪化しても適切なケアを受けられないまま、嚥下機能の低下や栄養不足、感染症リスクの増加などの問題を抱えています。

要介護者の方の健康と生活の質を守るためには、歯科医療と介護が連携し、ご自宅でも適切な口腔ケアを受けられる体制を作ることが重要です。


しかし、ケアマネー ジャー の方々からは、在宅介護において口腔ケアを提案する機会は少なかったり、また提案したとしてもご要介護者の方やそのご家族にその必要性を理解してもらえない、といった声を多く受けます。

 

要介護者の方に普段から清潔なお口で気持ちよく過ごしていただけるよう、歯科の立場から口腔ケアの必要性を訴えていきたいと考えます。

 

まとめ


口腔ケアも含めた総合的な診療を行える医院の数は、まだまだ少ないのが現状です。

在宅探療サー ビスを提供する歯科医院は全体の21.8%。

訪問歯科診療で歯科衛生士による口腔衛生指導までを行っているのは、そのうちの45.3%です。

 

在宅の要介護高齢者にとっては、日々の口腔ケアが健康を支える基盤として重要です。

これからも訪問診療で口腔ケアを行う医院が増え、要介護高齢者の方が専門的な口腔ケアを定期的に受けることが当たり前になるよう、私たちも努めてまいります。