「歯周病になってないか心配」
「歯周病で歯を失うのが怖い」
「歳を取っても自分の歯で噛みたい」
…みなさんの中で
こうした不安を持たれている方はみえませんか?
実は、歯医者に寄せられる不安の中でも、
歯周病に対することは、とても多いんです。
「年齢的にも、そろそろ歯周病が心配」
「こんな私でも、キレイで健康なお口になりますか?」
そんなご質問を、日々多くの方にいただいております。
不安になる一番の原因は、
歯周病が何か、よく分からない
というところにあります。
安心してください!
そんな歯周病がご心配な方の不安を
少しでも取り除けるように、
できるだけ分かりやすく、
歯周病というものを一緒に考えていきましょう!
「歯周病の臨床ポイント」(HYORON)より抜粋
歯周病がご心配な方に質問です。
上の2枚の写真のうち、どちらの歯肉が健康でしょうか?
答えは、②。
実は、①が歯周病の治療前、②が治療後の写真です。
何が違うのでしょうか?
それを考えるには、やはり
「歯周病とは何か」
を知る必要がありそうです。
「歯周病の臨床ポイント」(HYORON)より
歯は、顎の骨に植わっています。
その上を、歯肉が覆っています。
これを、まずは押さえましょう。
そして、
「食べかす」ではなく、
「プラーク」と呼ばれる、
ネトっとした、汚れ。
このバイキンの塊が、
「歯」と「歯ぐき」の境目に溜まると
歯ぐきが腫れてきます。
この状態を、「歯肉炎」と言います。
さらに、そこから
「プラーク」が固まって
「歯石」という、硬い汚れが
こびりついていくと、
歯を支えている骨が溶け出します。
これを「歯周炎」と言います。
いかがでしょうか?
ついて来れていますか?
歯を支えている、顎の骨。
これが溶けていってしまうのが、
「歯周病」ということですね!
お気づきになりましたでしょうか?
先ほどの、
健康な歯ぐき 〜 歯肉炎 〜 歯周炎
の流れの大元は、
「汚れ」でしたね!
つまり、
「汚れ」がつかないようにすれば、
歯周病は防げるのです。
もちろん、
「糖尿病が歯周病の進行を早める」
「歯ぎしりが進行を早める」
なども正しい情報です。
しかし、繰り返しですが、
大元の原因は、「汚れ」なのです。
ということは、歯周病の治療も。
「汚れ」の除去に他なりません。
つまり
「歯医者さんでのクリーニング」
さらには
「ご自身での歯磨き」
に全ては集約されるのです。
(歯医者さんでのクリーニングについては、「歯のクリーニングにも、実は色々と種類があるんです」をご参照ください!)
もう一度、この写真に戻ってみましょう。
①は、歯周病が進行した状態です。
一見、②よりも正常に見えるのではないでしょうか?
歯ぐきが腫れ上がっているため、
歯を支える骨が無くなっていくことに
気づきにくいのが
歯周病の怖いところです。
これを、徹底的にクリーニングし、
ご自身の歯磨きも徹底することで
②のように、引き締まった歯ぐきになります。
隙間が開いたように思えますが
①の状態では、もうあと何年かしたら
歯が次々抜けてしまいます。
②の状態になって、初めて
歯を長く保つことができます。
「歯医者さんでのクリーニング」
も大切ですが、
それ以上に「ご自身での歯磨き」が
最も効果があります。
でも、みなさん
「大切なのは分かっているけど、なかなかそこまでできない」
「なんども指導を受けているけど、うまくできない」
という悩みをお持ちです。
「ライザップ」というダイエット会社をご存知でしょうか?
なかなか痩せられない方に
個別のトレーナーがついて
「あとちょっと!」
「頑張って!」
と2人3脚で結果を出す、というアレです!
歯磨きも、同じことが効果的です。
つまり、歯医者さんで、
「衛生士さんと2人3脚で頑張る」。
プラスの言葉をかけてもらい
ちょっとづつ、モチベーションを上げ、
自分自身の力で歯周病を治していく。
あるいは、予防していく。
それこそが、真の歯周病治療と考えます。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
歯周病というのは、分かりづらく
知らないうちに進行してしまうことが多い病気です。
しかし、原因は、シンプルに、「汚れ」。
歯磨き × クリーニングをしっかりと行うことで
治療、あるいは予防できるものです。
そう考えると、頑張れそうじゃないですか??
是非、歯医者さん、衛生士さんと一緒になって
あなたのお口を
輝かしい健康な状態にしていきましょう!
*医学的には、歯周炎とは「歯肉に炎症があり、アタットメントロスがある状態」を示します。また、その判別には、プロービングのみが手段となります。今回は、分かりやすく説明するため、骨吸収を歯周炎と示させていただきました。
【参考】
「長期経過から学ぼう 歯周治療の臨床ポイント」(HYORON)清水雅雪