赤ちゃんの歯は生後6ヶ月程ではえ始め、3歳頃までに乳歯がはえ揃います。
日々の診療の中では、乳歯が1本2本はえてきた段階から、お子さんの歯並びを心配されるお父さんお母さんがたくさんいらっしゃいます。
今回はそんな悩めるお父さんお母さんの疑問が少しでも晴れるよう、子供の歯並びについて、少しお話しいたします。
先ほども記述したように、赤ちゃんの歯は6ヶ月ぐらいから生え始めます。
1、2本生え始めた頃はバラバラと生えてくるかもしれませんが、まずは舌で押されたりすることで定位置におさまってくることが多いので、温かく見守りましょう。
乳歯列で大切なことは、【すきっ歯】であること。
乳歯は6歳頃から、永久歯に生え変わっていきますが、永久歯は乳歯よりもサイズが大きいため、すきっ歯でなければ生え変わりの時期から歯並びがガタツく可能性が高くなります。
そして、汚れの自浄性もよくないため、歯と歯の間に虫歯ができやすくなります。
歯科にて、定期的にみてもらいながら、矯正治療の必要性の有無を判断してもらいましょう。
①過蓋咬合
噛み合わせが深く、上の前歯で下の前歯が大きく隠れてしまっている噛み合わせです。
永久歯に生え変わるまで様子をみているだけでは、治る可能性は少ないですが、4、5歳頃から取り外しができる矯正装置をご自宅で使用することで、下あごの成長をうながし、改善されることがあります。
②下顎前突
下あごが上あごより出ている噛み合わせです。
原因として、⑴遺伝的な骨格によるものか、⑵歯の傾きによるものがあげられますが、遺伝的な場合は下あごの成長を16から18歳くらいまで長期的にみていく必要があります。
どちらにしても、永久歯に生え変わるまで様子を見ていると、上あごの成長を下あごに阻害され、上あごが育たたなくなってしまいます。
治療法としては様々ですが、4、5歳くらいから取り外しができる矯正装置をご自宅で使用することで、上あごの成長をうながし、自然と改善することがあります。
その他、矯正装置にて、上あごを牽引することで成長を促進し、噛み合わせを改善することもあります。
どんな治療法にせよ、早目に治療を開始することで、ご自身の成長を利用し、治療できることがあります。
歯並びが気になったとき、まずはお近くの歯科医院にご相談ください。
乳歯列の場合は、様子を見ましょうと言われることが、多いかもしれませんが、根拠のある様子見と、根拠がない様子見では、意味が全く異なります。
矯正の治療法は様々ですが、永久歯が生え揃ってからでは、子供の成長を利用した矯正治療は行えません。
定期的なチェックを行い、適切な時期に治療を開始できるよう、準備しておくことが大切です。
そして、ご自宅では、食べ物をたくさん噛んで食べて、あごの成長をしっかりうながしてくださいね!