歯が痛いけど、虫歯はないって言われた…なんで?上顎洞炎ってご存知ですか?

こんにちは、歯科医師の長谷川です。

 

歯が痛いのに、

「歯には問題がない」と言われたことはありますか?

 

もしかしたら、それは「上顎洞炎」かもしれません!

 

今回は、そんな痛みの原因の一つ、

「上顎洞炎」についてお伝えしていきます!

 

上の歯が痛い!…でも歯が原因じゃないって言われた!


 

突然ですが、「副鼻腔」って聞いたことはありますか?

 

あるいは、「蓄膿」って聞いたことはありますか?

 

鼻の横には、「上顎洞」と呼ばれる空洞があります。(画像中の④)

 

wikipediaより抜粋

 

これは副鼻腔の一つで、

左右一つずつあり、

鼻腔と繋がっています。

 

「頭蓋骨を軽くするため」

あるいは「呼吸する際の加温・加湿作用」や、

「声の共鳴にかかわっている」と言われていますが、

実際にはなぜ存在しているのか分かっていない空洞です。

 

[1]より引用改変

 

ここに炎症があると

「上顎洞炎」あるいは「副鼻腔炎」と言われ

膿がたまると

俗に言う「蓄膿」の状態になります。

 

歯の症状としては、どんな症状が出るの?


 

 

この上顎洞炎になると、歯に以下のような症状が出る場合があります。

 

・上の歯が、歩く時に痛い

・運動するときに痛い

・横になると痛い

・振動で痛い

・噛んだときに痛い

 

比較的若い女性に起きることが多いですが、

若い男性にも頻度高く発生します。

 

どうしたらいいの?


 

歯に原因がない場合、

耳鼻科を受診することが勧められます。

状態によって、抗生物質で治すか、

時に手術で治す場合もあります。

 

しかし、上顎洞炎の中でも

歯が原因で起こることも

全体の1割程度見られます。

その場合は、原因となっている歯の治療が必須です。

 

まずは、自分の状況がどうなのか、

是非歯医者さんで相談してみてくださいね!

 



[1] Selmi Yardimci Yilmaz, Melda Misirlioglu, Mehmet Zahit Adisen. (2014) A Diagnosis of Maxillary Sinus Fracture with Cone-Beam CT: Case Report and Literature Review. Craniomaxillofac Trauma Reconstr.  Jun; 7(2): 85–91.