ふとした時、顎にちからが入ってるな、と感じたことはありますか?
普段、上下の歯は、接触していないのが正常です。
1日のうち、歯が接触しているのは20分程度とも言われています。
もしかしたら、あなたも無意識のうちに、
「食いしばり」をしているかもしれません。
以前ご紹介した(過去ブログ)
「歯ぎしり」と同様に、
顎の痛みや、様々な問題を引き起こす「食いしばり」。
どうしたら良いのでしょうか??
「食いしばり(クレンチング)」は、
左右に歯をすり合わせる「グラインディング」とともに
歯ぎしりの一種として分類されます。
力を入れて「かみしめる」状態を想像しやすいですが
実は、力を入れない「食いしばり」もあるんです。
普段、上下の歯は接触していないものですが、
力は入っていないにしろ、
日常的に上下の歯が当たっている方もいます。
この「強い力を伴わない習慣的な咬合接触」は
「上下歯列接触癖(TCH)」と呼ばれ、「食いしばり」に分類されます。[1]
顎関節症の方の約半数が、このTHCを持っていると言われています。
このTHCによって
・顎の痛み
・歯周病の悪化
・被せ物や詰め物の劣化
など、様々な問題を引き起こすと言われています。
さて、無意識のうちにしてしまう「食いしばり」ですが、
どのように対処すれば良いのでしょうか?
もっとも有効と言われているのは、
「意識すること」。
つまり、「自分が食いしばっている」ということを
自覚することがもっとも重要なのです。
当院では、名刺サイズの「食いしばり注意」カードをお渡ししています。
このカードを、パソコンやデスク、キッチン、冷蔵庫、
様々なところに貼っておき、
ふとした時に「食いしばり」に気づくことを目指します。
もちろん、ポストイットなど、
自分でメモを貼っておくだけでも有効です!
とても地道な治療法ですが、
もっとも効果がある方法なので、
ぜひ挑戦してみてくださいね!
[1] Sato F, Kino K, Sugisaki M, Haketa T, Amemori Y, Ishikawa T, Shibuya T, Amagasa T, Shibuya T, Tanabe H, Yoda T, Sakamoto I, Omura K, Miyaoka H. (2006) Teeth contacting habit as a contributing factor to chronic pain in patients with temporomandibular disorders. J Med Dent Sci.Jun;53(2):103-9.