インプラントはできないって言われた！骨がないって、どういうこと！？

「この歯は、もう抜かないといけませんね」

「抜いた後は、入れ歯になりますよ」

「インプラントは骨がないからできませんよ…」

もしかして、

そんな話をされた方も

みえるのではないでしょうか？

他にも

「インプラントをするには

骨を作る手術が必要です」

など、言われたことがあるかもしれません。

今回は、

「骨を作るとは？」

ということについて

お伝えしていきます。

インプラントをするには骨が必要？

歯を失った部分に

金属の根っこを植えるのが

いわゆる「インプラント治療」。

「金属の根っこを植える」

ということは

「植える」ための「骨」が必要です。

家を建てるために

柱を地面に立てることを考えてみましょう。

地面に大きな穴が空いていたら

しっかりと柱は立ちませんよね？

歯周病などで

骨が大きく溶けてしまった場合

インプラントが

しっかりと立たなくなってしまうのです。

やっぱり、インプラントはできないってこと？

そこで

骨が大きく失われてしまった場合

「骨を作る手術」

をすることで、

インプラント治療が

できることがあります。

「骨を作る手術」とは、

骨が溶けてしまった部分に

「骨になる薬」

を詰めておくことで

骨を回復させる方法のことです。

いわゆる

「GBR（骨再生誘導法）」というこの手術。

１９８０年代から行われている

すでに確立した方法です。[1]

どうやってやるの？

歯を抜いてすぐ

あるいは

抜いてから時間が経っていても

やることは同じです。

まず、膿んでしまっていた場合は

歯ぐきの中の骨の部分を

徹底的に綺麗に掃除（掻爬）します。

そして、「骨になる薬」を置いて

歯ぐきを閉じます。

後は、４ヶ月半〜６ヶ月

骨ができてくるのを待ちます。

骨折が治る時と同じで

安静にして置くことが大切で、

長い時間をかけて

少しずつ骨ができてきます。

骨になる薬って？

骨になる薬とは

つまり「移植材」のこと。

それには、いくつかの種類があります。

（以下、詳しい話になるので、興味のある方はご覧ください）

自家骨（自分の骨）
同種骨（人の骨）
異種骨（動物の骨）
代用骨（人工の骨）

それぞれ特徴があり、

「絶対にこれが良い」

というものはありません。

ケースバイケースで使い分けが必要です。

１．自家骨（自分の骨）

自分の骨をどこからか取ってきます。

自分の骨なので、安全です。

しかし、量に限りがあり、

再度溶けていってしまいやすいことが

欠点です。

２．同種骨（人の骨）

厳しい検査をされた

実際の人の骨を

徹底的に滅菌したものを用います。

アメリカなどでは

広く使われている材料ですが、

日本で使われることは

少ないと言えます。

３．異種骨（動物の骨）

専用に育てられた

動物の骨を加工した薬です。

牛の骨が使われることが多いです。

海外ではもっとも多く使われる薬で、

非常に評価の高いものですが

日本で認められ始めたのは最近です。

（歯周病治療などで認可され始めました）

４．代用骨（人工の骨）

ハイドロキシアパタイトと呼ばれる

化学的に一から作られた材料が有名です。

完全に溶けて骨に置き換わらないため

他の材料と混ぜて使われることも多いです。

まとめ

「骨を作る手術」

をすることで、

大きく骨を失ってしまった場合でも

インプンラントができる可能性があります。

治療の期間がかかるという

デメリットはありますが、

歴史的にも

非常に確立された方法と言えます。[2-5]

まずは、歯医者さんに

できるかどうかを

詳しく相談してみてくださいね！

1. Buser D, Brägger U, Lang NP, Nyman S. Regeneration and enlargement of jaw bone using guided tissue regeneration. Clin Oral Implants Res 1990;1:22-32.

2. Benić GI, Jung RE, Siegenthaler DW, Hämmerle CH. Clinical and radiographic comparison of implants in regenerated or native bone: 5-year results. Clin Oral Implants Res 2009;20:507-513.

3. Clementini M, Morlupi A, Canullo L, Agrestini C, Barlattani A. Success rate of dental implants inserted in horizontal and vertical guided bone regenerated areas: a systematic review. Int J Oral Maxillofac Surg 2012;41:847-852.

4. Zumstein T, Billström C, Sennerby L. A 4- to 5-year retrospective clinical and radiographic study of Neoss implants placed with or without GBR procedures. Clin Implant Dent Relat Res 2012;14:480-490.

5. Jung RE, Fenner N, Hämmerle CH, Zitzmann NU. Long-term outcome of implants placed with guided bone regeneration (GBR) using resorbable and non-resorbable membranes after 12-14 years. Clin Oral Implants Res 2013;24:1065-1073.