歯がしみる!
という悩みをもって
多くの方が歯医者さんにみえます。
「歯の付け根が削れてますね」
「知覚過敏ですね」
…と言われた方も多いのではないでしょうか。
今回は、「歯の付け根が削れる」こと、
そして、「知覚過敏」についてお話しします。
Sejal Bhundia et al (2019)
歯の付け根が削れてくることを
専門用語で
「NCCL(非う蝕性歯頸部歯質欠損)」
と言います。
「くさび状欠損」と呼ばれたりもしますが
歯の側面、
付け根の部分が
えぐれるように削れてしまいます。
Sejal Bhundia et al (2019)
「歯ぎしり・食いしばりをするひと」
「歯磨きの力が強いひと」
など、さまざまな原因が言われていますが、
実は、本当の原因は科学的に証明されていません。
しかし、この「歯の付け根」は
神経に近い部分で、
そこが弱ってくると
「しみる」症状が出ることが多くあります。
はじめに挙げられる治療法は、
「知覚過敏の塗り薬」です。
歯医者さんで塗ってもらう薬なのですが、
ある一定の効果は認められ、[1]
歯を削ったり、危害を与えない方法なので、[2]
まず最初に選択される方法です。
次に、「樹脂を詰める」治療法が挙げられます。
物理的に「樹脂」を詰めることで
刺激を遮断し、
しみなくするという方法です。
その他には
歯ぐきがやせてしまっている場合に、
外科的に歯ぐきを覆う方法もあります。
研究では、
「樹脂」も「外科治療」も
効果があり、
場合によっては両方やることで
一番効果が出ると言われています。[3]
「歯の付け根」が削れて
しみるという症状は、
実は原因がよく分かっていない病気なのです。
まずは、その状況に応じて
「塗り薬」や
「樹脂」「歯ぐきの外科手術」など
治療法を相談してみましょう。
[1] Lopes AO et al. (2017) Evaluation of different treatment protocols for dentine hypersensitivity: an 18-month randomized clinical trial. Lasers Med Sci, 32:1023-30
[2] Al-Qahtani SM. (2019) Evaluation and Comparison of Efficacy of Gluma® and D/Sense® Desensitizer in the Treatment of Root Sensitivity Induced by Non-Surgical Periodontal Therapy. Open Access Maced J Med Sci. 31; 7(10): 1685–1690.
[3] Santamaria MP, Queiroz LA, Mathias IF, Neves FL, Silveira CA, Bresciani E, Jardini MA, Sallum EA.(2016) Resin composite plus connective tissue graft to treat single maxillary gingival recession associated with non-carious cervical lesion: randomized clinical trial.J Clin Periodontol. May;43(5):461-8. doi: 10.1111/jcpe.12524.