夜中の歯ぎしりを指摘された!どうしたらいいの?!

「家族に夜中の歯ぎしりがうるさいと言われた…」

そんな悩みをお持ちの方はいませんか?

 

こんにちは、

名古屋市昭和区・千種区・天白区からも通いやすい

八事日赤の歯科医院(歯科・歯医者)たきかわの森歯科クリニックの歯科医師・長谷川です🌱

 

今回は、寝ている間の「歯ぎしり」と、

その治療法について、

詳しくお伝えしていこうと思います!

 

歯ぎしりって、なに?ちょっと詳しいところまで!


 

睡眠中の歯ぎしりなどをまとめて

「睡眠時ブラキシズム」と呼び、

「クレンチング(食いしばり)」と

「グラインディング(歯ぎしり)」と

に分けられます。

 

一般の方の約8%が

睡眠時ブラキシズムを持っていると言われています。[1]

 

また、睡眠中に

ブラキシズムほどではなくても、

噛む筋肉が活動しているRMMA(律動性咀嚼筋活動)は

健常人の約60%に見られるとも言われています。[1]

 

これらの睡眠時ブラキシズムは、

起きている間では考えられないほど

強い力で咬みしめてしまうこともあり[2]

歯や顎の関節に、大きなダメージを及ぼす可能性があるのです。

 

睡眠時ブラキシズムの治療法とは


 

残念なことに、現時点では

睡眠時ブラキシズムを、

安全かつ効果的に

抑制する治療法はありません。

 

しかし、身体が受けるダメージを

最小限にするため、

推奨される治療法の一つが

寝ている間にはめておく

マウスピース(ナイトガード)です。

 

マウスピース(ナイトガード)にも種類がある


 

マウスピース(ナイトガード)には多くの種類がありますが、

多く使われるのが、硬いプラスチック製のもので、

日本顎関節学会も推奨しています。[3]

 

 

このタイプは、噛み合わせを調整する必要があり、

歯科医師の管理のもと使用することが大切です。

 

他にも、柔らかいシリコンのものもありますが、

顎関節症を悪化させるなどの副作用も考えられ、[4,5]

使用には注意が必要です。

 

 

いつまで使うの?


 

硬いタイプのマウスピース(ナイトガード)には、

短期的(2週間程度)の効果はあるものの、

長期的な効果は少ないという研究もあります。[6,7,8]

 

睡眠時ブラキシズムには

根本的な原因がある場合も多く、

マウスピースを使いながら

その原因に対する治療をすることが必要だといえます。

 

例えば、

睡眠時無呼吸症候群、胃食道酸逆流症候群、

不安、抑うつ、精神的なストレス、などなど

根本的な原因を探ることも

とても大切なことです。

 

まずは、歯医者さんに相談して、

どのような治療がご自身に合っているのか、

一緒に決めていくことが大切だといえます。

 

[1] Lavigne GJ et al. Sleep Medicine for Dentists : A Practical Overview. Quintessence publishing. 2009

[2] Nishigawa K et al. Quantative Study of bite force during sleep associated bruxism. J oral Rehabil, 28(5):485-491, 2001

[3] 日本顎関節学会初期治療ガイドライン作成委員会編:顎関節症患者のための初期治療ガイドライン. 日本顎関節学会, 2010

[4] 米畑有理 他 ナイトガード装着時の歯の歪みについて ソフトタイプとハードタイプ 補綴誌 44 (特別):107, 2000

[5] 松浦悠 他 調整不足のマウスガードの使用により顎関節症状が増悪した1症例 スポーツ歯学 19(2):62, 2016

[6] Matsumoto H et al. The effect of intermittent use of occlusal splint devices on sleep bruxism : a 4-week observation with a portable electomyographic recording device. J Oral Rehabil, 42(4):251-258, 2015

[7] Harada et al : The effect of oral splint devices on sleep bruxism : a 6-week observation with an ambulatory electromyographic recording device. J Oral Rehabil. 33(7):482-488. 2006 

[8] 馬場一美 有留久美子:力と歯周病 歯周治療における力の問題点とその対策:睡眠時ブラキシズムにどう対処するか?欠損歯列における力のコントロール. 日本歯科評論. 761:73-80. 2006

参考文献:徹底解説ナイトガード 鈴木善貴ら 2020

 

 

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