前回のブログ(こちら)に引き続き、今回も「ムシ歯」をキーワードに、アジアの国々を旅していきましょう!
今回も、指標となるのは、6歳の子供のdft。
つまり「20本の乳歯のうち、平均で何本の歯が虫歯になっているか」というものです。
ベトナムは、南北に長く伸びた形で、日本の形とよく似ています。
その国民性も、とても親日的で、「日本に行きたい!」と言われることがとても多いほど。
歴史的な理由から、北と南で大きく文化が違うのも、何度旅しても魅力的な理由です。
さて、そんなベトナムの人口は9000万人、dftは6.15。[1]
特に郊外へ行くと、まだまだ発展途上であり、衛生面でも改善が必要な状態です。
医療も行き届いておらず、数多くのボランティアも行われていますが、根本的な医療改革が必要かもしれません。
New York Timesのアンケートにより、「世界で一番行きたい国」と言われた、ラオス。
世界遺産であるルアンパバーンなど、遺跡の宝庫であり、一見の価値がある国です。
しかし、まだまだ非常に未発展な国で、交通インフラも整っておらず、国内の移動も大変困難です。
首都・ビエンチャンなど、急速に発達していますが、少し中心地から離れれば土の道路。
これからの発展が待たれる国です。
そんなラオスの人口は、677万人。
6歳児dftは5.97。[2]
日本のボランティアも数多くサポートにいっていますが、やはり根本的には経済的な発展、そしてインフラの整備が急がれる状態です。
日本人観光客にも大人気の香港。
「100万ドルの夜景」が有名ですが、その高層ビル群は日本をはるかに超えています。
歴史上、中国との関係で揺れ動く国。
国境を簡単に行き来できる、中国・深センは、「世界でもっとも急速に発展した町」としても有名で、中国とのヒト・物の動きも盛んです。
香港の人口は、720万人。
医療状況も整っており、6歳児dftは2.5となっています。[3]
最後は、世界最大の人口を抱える、中華人民共和国。
その人口は、13.8億人。
世界で人口の多い都市、第1位と第2位が、北京と上海であり、その合計はおよそ5000万人にもなります。
日本人の、中国へのイメージ(報道)は、かなり偏っていますが、実際に目の当たりにすると、その経済成長のスピード感・パワー・勢いを、恐ろしいほどに感じます。
そんな中国の5歳児dftは、3.5。[4]
しかし、97%のムシ歯は治療されずに残っているとも言われ、その医療格差が問題と言えます。
実際に、都心部と郊外での生活は大きく乖離しており、医療も全く行き届いていないのが現状です。
さて、アジア各国を、「ムシ歯」をキーワードに見てきましたが、いかがでしたでしょうか。
日本は、ムシ歯の数も少なく、アジアをリードする国となっています。
しかし、実際にアジアの国々で話を聞くと、日本のことをリスペクトする人は非常に少ないことが分かります。
その理由は、おそらく、日本人が海外に向けて情報を発信しないこと、つまり内向きであることが大きな理由。
さらに、全体的には裕福な国でありながら、海外への社会貢献を、限られた範囲でしかしていないことなども、理由の一つでしょう。
これから、日本が先進国として、自立した立派な国であり続けるには、まだまだ考えるべきことが多そうです。
是非、皆さんも、海外に目を向け、日本の明るい未来を考えていきましょう!
[1] The Second Oral Health Survey (2002) National Institute of Odonto-Stomatology Hanoi and Ho Chi Minh
[2] Dr. Vorasack et al (2013) Lao National Oral Health Survey
[3] Oral Health Survey (2011) Department of Health, Hong Kong
[4] Hu DY, Hong X, Li X. (2011) Oral health in China - trends and challenges. Int J Oral Sci. Jan;3(1):7-12. doi: 10.4248/IJOS11006.