【注意】キシリトールガムの甘い罠!!!

 

キシリトールとは、砂糖のように甘いのに、ムシ歯の原因にならない甘味料です。

それだけでなく、ムシ歯を防ぐ効果まであるといわれ、広くムシ歯予防に利用されています。[1]

しかし、市販のキシリトールガムの中には、なんと虫歯予防に逆効果な商品も多くみられるんです!

 

今回は、そんなキシリトールについてお伝えしていきます!

 

キシリトールがムシ歯を防ぐ二つの理由とは


 

 

一つは、唾液(ツバ)を出して、「再石灰化(さいせっかいか)」つまり「歯が固まる」状態をつくること。

食後はおくちの中が酸性になり、「脱灰(だっかい)」という「歯が溶ける」環境にかたむきます。

キシリトールは、この食後のおくちの状態を改善してくれるのです。

 

そしてもう一つは、ムシ歯菌の活動を弱めること。

ムシ歯菌は、キシリトールを食べても消化できず、ムシ歯をつくる酸を出すことができません。

キシリトールは、このムシ歯菌を弱めることで、ムシ歯のリスクを減らすのです。

 

キシリトールは安全なの?


 

古くは、点滴の中にも入っていた成分で、非常に安全といえます。

1997年には厚労省が、食品添加物として認可しました。

あまりいっぺんに食べるとお腹がゆるくなることがありますが、これはキシリトールが小腸で消化・吸収されにくいからです。[2]

からだに害のあることではありませんが、人によっては少ない量でなることもあるので、あまりゆるくなるようなら量を減らしましょう。

 

 

いつから、どのくらい噛めばいいの?


 

だいたい5歳くらいになれば、多くのお子さんは、「噛んで飲み込まない」ができるようになるでしょう。

3歳くらいから、しっかり噛み方を教えてあげればできる子もいるでしょう。

それぞれの成長に合わせて始めてあげましょう。

100%キシリト-ルガムを、1日3回、3ヶ月以上続けることで、ムシ歯菌の質を改善できる(歯垢が出来にくくなる。ねばねば感がなくなる)と報告されています。[3]

特にムシ歯のリスクの高い方は、お子さまから大人まで、この利用法を試してみると良いでしょう。

まずは、毎食後に、少ない量から噛むことを始めてみてください。

 

市販のものには逆効果のものがある!?


 

 

また、市販のガムの中には、キシリトールが100%でないものが多いので、注意が必要です。

ムシ歯の予防には50%以上の濃度が必要といわれています。

濃度が低いとムシ歯予防どころか、ムシ歯を作ってしまう可能性もあります。

分からないときなどは、歯医者さんで確認してみてくださいね!

 

まとめ


 

大切なのは、やっぱりご自身での歯磨き、あるいは仕上げ磨き!

キシリトールは、あくまで歯磨きのサポートをするもの。

いつもの歯磨きをしっかりして、それに加えて使うように心がけてください。

正しいキシリトールの利用で、ムシ歯を予防していきましょう!

 

 

1. Scheinin A, Mäkinen KK, Ylitalo K. (1976) Turku sugar studies. V. Final report on the effect of sucrose, fructose and xylitol diets on the caries incidence in man. Acta Odontol Scand. 34:179-216.

2. Oku T, Nakamura S. (2007) Threshold for transitory diarrhea induced by ingestion of xylitol and lactitol in young male and female adults. J Nutr Sci Vitaminol. 53:13-20.

3.  Isokangas  P,  Alanen  P,  Tiekso J,  Makinen  KK. (1988) Xylitol  chewing  gum  in caries  prevention;a  field  study  in children.  J Am  Detu  Assoc  117: 315-320.