保険診療?自費診療? …何が違うの?

 

虫歯の治療をする際に、

「銀で詰めますか? セラミックで詰めますか?」

などと聞かれたことはありませんか?

 

以前、「虫歯治療には、金属?セラミック?何が違うの??」でもお伝えした通り、

虫歯の治療に使う材料には、数多くの種類があります。

その中には「保険で使えるもの」「保険では使えないもの」があります。

 

さて、そもそも「保険治療」とは、何でしょうか?

全て「保険治療」だと、何かいけないのでしょうか?

 

日本の「保険制度」って? 海外と比べてどうなの??


 

 

日本も、かつては保険制度がない時代がありました。

全国民のうち、実に3分の1が無保険で、

病気になった時に、お金が足りなければ医療が受けられない状態でした。

 

そうした時代背景から、1958年、国民皆保険制度が開始しました。

これにより、「全ての国民が、日本中どこでも医療が受けられる」状態になりました。

 

反対に、今も保険を民間で行なっているアメリカなどでは、

お金がなくて医療が受けられない国民のことが問題になっています。

(2008年に、ニューヨークの病院の待合室で

保険のない黒人女性が、24時間放置されたまま亡くなったことなど、象徴的ですね)

 

そんな日本の保険制度は、世界保健機関(WHO)からも、世界最高との評価を受けています。

 

日本の健康保険は素晴らしい! …いいことばっかりなの??


 

 

さて、この世界的にも優れた日本の保険ですが、

全てにおいて素晴らしい制度なのでしょうか?

 

まず問題として挙げられるのは、「医療費の増加」。

少子高齢化とともに、医療費が増える反面、

担い手が減ってきているのは、周知の問題です。

様々な議論が活発にされていますが、未だ結論は出ていません。(関連ニュース:日経新聞

 

しかし、それ以上に、我々歯科医師から挙げられる問題は、

保険が使える治療・材料の限界」です。

 

保険の治療は、あくまでも病気に対する最低限の治療が原則です。

そのため、全身のことや、長期的なお口の環境を考えると、

疑問を持ってしまう治療法も存在します。

 

分かりやすい例が、50年以上前から保険で使われている、いわゆる「銀歯」。

実際には、金銀パラジウム合金という金属が用いられています。

健康上の理由から、世界的にも先進国では使われていません。

以前、「ムシ歯は昔より減ってるの?」でもお伝えしましたが、

大人の虫歯が増えている一つの原因にもなっています。

 

保険外治療とは?


 

 

ここまで、日本の健康保険について考えてきましたが、

利点・欠点、両方があることが分かりました。

 

そこで、その欠点を補うため、

「保険外治療」という選択肢が存在します。

つまり、「保険」という決まりごとから外れる事で

新しい技術・治療方法を選択することができる、ということです。

以前「虫歯治療には?」でご紹介したように、

「保険」という枠を外せば

たくさんの治療法を選択することができます。

 

しかし、その場合、費用が高額になることもあり

メリット・デメリットについて

しっかりと説明を受け、選択することが勧められます。

 

まとめ


 

さて、「保険治療」「保険外治療」についてお伝えしてきましたが、

それぞれに利欠点が存在します。

大切なことは、

しっかりと説明を受け、納得できる治療法を選択すること」。

安易に価格だけで治療法を選択することは、

長い目で見ると、大きく不利益になることもあります。

うまく、保険・保険外の選択肢を利用し、

皆さまそれぞれに合った治療計画を立てていきましょう!