虫歯治療には、金属?セラミック?何が違うの??

ムシ歯ができてしまったら、ムシ歯をキレイに取って、詰める必要があります。

さて、その詰める「物の種類」には、どんなものがあるのでしょうか?

詰める素材の種類は、大きく分けると6種類も!


保険治療

1.コンポジットレジン(樹脂・プラスチック)

2.銀歯

 

保険外治療

3.金歯

4.ハイブリッド

5.セラミック

6.ジルコニア

 

種類が多くて迷ってしまいますが、それぞれの特徴を見ていきましょう。

 

コンポジットレジン(樹脂・プラスチック)


 

保険治療で使用できる、光で固めるプラスチックの素材です。

詰める範囲が小さいときに適用できます。費用は、1000〜2000円程度となります。

1回で終わることができ、歯を最小限削って詰めることができるため、負担の少ない治療といえます。

しかし、プラスチックの素材は水分を吸収するため、お口の中で変色し、隙間ができやすい素材です。

嗜好品にもよりますが、2〜3年で変色してきます。

また、奥歯などではすり減ってくるので、いずれにしても何年かでやりかえが必要になることが多いといえます。

 

同じ材料でも、保険外の治療であれば、奥歯の大きな虫歯などにも適用することが可能な場合もあります。

大きさなどによって費用は大きく異なります。

その場合、治療の際にゴムのマスクをしたり、適切な処置が必須となりますが、しっかりと治療されれば、歯を削る量も減らすことができる優れた治療です。

 

銀歯


保険治療で使用できる素材です。

1000円〜2000円程度で詰めることができます。

費用を抑えることができますが、「セメント」と呼ばれるもので隙間を埋めて詰める(合着と言います)ため、時間とともに口の中でセメントが溶け出し、隙間ができやすい、というデメリットがあります。

金属の下で虫歯になると、レントゲンでは確認しづらく、再治療には大きく歯を削ることになることが多くなります。

また、口の中の金属は、アレルギーを誘発する、というリスクもあります。

 

金歯


保険外治療となります。

最近では使われることが少なくなりましたが、程よい硬さで、延びがよく、隙間ができにくい優れた材料です。

歯を削る量を少なくできる、という意味ではオススメできる治療ですが、金属色であること、そして費用が高いというデメリットがあります。

 

ハイブリッド


保険外治療です。

セラミックとコンポジットレジン(樹脂)のハイブリッド、つまり中間、という材料です。

費用を抑えて白い詰め物ができますが、強度が低く、奥歯など力がかかる部位に関しては、あまり勧められません。

 

セラミック


保険外治療です。

いわゆる、陶器の素材で、元の歯を同じ色を再現するのに適しています。

見た目以上にメリットとなるのは、銀などをセメントで付ける「合着」と違い、化学的に「接着」する、ということが挙げられます。

つまり、隙間ができづらく、下で虫歯が進むことを防ぐことができる、ということです。

 

見た目のキレイさで選ばれることが多いですが、実はこの虫歯になりにくいという隠れたメリットが大きいといえます。

費用が高額、というデメリットがありますが、オススメできる材料です。

 

 

ジルコニア


保険外治療です。

いわゆる、人工ダイヤモンドです。

非常に強度が高く、割れることが少ない材料です。

強度が高すぎるため、噛み合うご自身の歯が削れていってしまうこともあるため、お口の状況によって選択が必要です。

 

 

まとめ


以上、様々な「詰め物」の材料を見てきましたが、いかがでしたでしょうか。

保険治療と比べて、保険外治療は費用が高額となります。

費用をかければ良い材料が選べますが、それには術者の知識・技術も大きく影響してきます。

 

・説明をしっかりとしてくれること

・しっかりと時間をかけて治療してくれること

・保証がしっかりと付いていること

 

など、様々な面から治療を選択することが勧められます。

 

まずは、医院で詳しい相談をしてみてくださいね!

 


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2. Brignardello-Petersen R. (2017) Ceramic inlays, onlays, and overlays have a high survival rate and a low rate of complications. J Am Dent Assoc.  Apr;148(4):e3. doi: 10.1016/j.adaj.2016.11.025. Epub 2017 Jan 11.