日本人のうち、定期的に歯のクリーニングを受けている方は、わずか2%。
残りの98%の人は、たまにしかクリーニングを受けない、あるいは、全くクリーニングを受けていない方なのです。
そのため、定期的な健診が習慣となっている欧米諸国と比べて、80歳の時に残る歯の数は、とても少なくなってしまっています。
若いうちは、大きな問題になることは少ないのですが、歳を重ねるにつれて、定期検診を受けている方と受けていない方とでは、大きな差が開いてきます。
そうは言っても、問題のない時に歯医者に行くのは、なかなか慣れないもの。
しかも、健康なのにお金がかかる、そんな気持ちを持たれるかもしれません。
保険治療の場合、健診を受けると、3割負担の方でおよそ3000円~4000円くらいの費用がかかります。
もし、年に4回受けた場合は、単純に4倍すると、15000円程度。
健康なのに、それだけ支払うのは無駄を感じる方もいるかもしれません。
しかし、生涯医療費で考えてみると、それが全く無駄でないことが分かります。
残っている歯の本数によって、年間にかかる医療費を調べた調査があります。
何と、20本以上歯が残っている方と、歯を失ってしまった方とでは、年間17万円以上の差が開いてくるのです。
また、別の調査では、定期的に健診を受ける人と受けない人の生涯医療費を調べた場合、健診を受けている人は、48歳までの総医療費は平均より高いものの、49歳を過ぎると平均を下回り、その後は差が広がっていくという結果もあります。
健康で、お金もかからない、これは大きな違いだと思います。
人間は、後悔する生き物。
55~74歳の男女1000人を対象とし、gooリサーチとプレジデント編集部が共同で行った調査によると、若い頃に歯の定期検診を受ければよかった、というのが「健康の後悔」堂々の第1位でした。
105歳まで生涯現役を全うした、聖路加国際病院名誉院長の日野原重明先生は、「歯と糖尿病を患うと取り返しがつかない」と生前お話されていました。
日頃のケアと食事・運動が、明暗を分ける。歯の健康を保つことこそ長寿の秘訣だ、と。
もし、今年まだ歯の定期検診を受けていないようでしたら、まさに今、この文章を読まれている時がタイミングです。
お近くの、予防に力を入れている歯科医院を受診されることをお勧めします。
まずは、お口の中をキレイな状態にして、その後はその状態を保てるように、それぞれの歯科医院に推奨された期間で定期受診を行ってください。
皆さんから、日本人のお口の健康状況を改善していきましょう!