「乳歯は生え変わる歯だから虫歯になっても大丈夫。」
そんな声をたまに耳にします。
しかし、本当にそうでしょうか??
乳歯は抜けるから、後からはえてくる永久歯には関係ない?
結論からいうと。
関係大有りです!!
では何が関係あるのでしょうか。
乳歯の虫歯がうつるのか?!
乳歯の虫歯の影響について考えます!
では、乳歯が虫歯になると、どんな影響があるのでしょうか。
⒈噛む機能の低下
虫歯が大きくなるにつれて、歯と歯の接触面積が減り、
噛む力が著しく低下します。
虫歯の治療を行ったとしても、噛む力は健常者の2/3までしか回復することができない。
といわれています。
よって、噛む力に影響しない早期の段階で治療を行うことが
噛む力の発育にとって大切になります。
参考文献:小 児 歯 科 学 雑 誌 乳歯齲蝕が咬合機能 に及 ぼす影響 につい て
大 山 洋
⒉後継永久歯への影響
乳歯の虫歯が進行し、溜まった膿を放置しておくと
時期によっては、その下にある永久歯の歯胚に影響を及ぼし、
エナメル質形成不全(下図)や、永久歯の位置異常、萌出時期の異常を
起こすことがあります。
引用:http://www2.dent.nihon-u.ac.jp/OralPathologyAtlas/Ver1/chapter1/html1/1_a_comment.html
参考文献:小 児 歯 科 学 雑 誌 早期萌 出 したTurner歯 に歯髄感染 を起 こ した1例
難 波 みち子 内 川 喜 盛*
⒊不正咬合の誘発
虫歯によって乳歯の形が崩れたり、早く抜けることで
隣接の歯が動いてしまい、永久歯がはえてくるスペースを失い、
歯並びが悪くなります。
⒋悪習癖の誘発
虫歯が気になることで指を口の中に入れたり、
舌で弄んだり、悪い癖がつく原因になります。
⒌永久歯の虫歯の誘発
6歳臼歯の虫歯は乳歯列完成前の乳歯の虫歯との関係性が強い。
と言われています。
たとえ、乳歯の虫歯を治療して治したとしても、
生活習慣や食生活を改善し、お口の中の環境を変えなければ
また、虫歯はできてしまいます。
参考文献:小 児 歯 科 学 雑 誌 第一大臼歯齲蝕発生要因としての 乳歯歯種別齲蝕 の検索
張 簡 崇 智
このように、乳歯の虫歯は永久歯の虫歯に関係大有りです!!
直接的でなくても、食生活やお口の環境を整えなければ
いくら虫歯を治しても、また虫歯になってしまいます!!