以前にもご紹介した(ブログ)
「インプラント治療」。
歯を失った部位に行い、
他の歯を削ることなく
元あった歯のように噛むことができる。
そんな、非常に有用な治療法です。
さて、インプラント治療の説明を受けたけど、
「何ヶ月もかかる」と言う歯医者もいたり、
「すぐ歯を入れられる」と言う歯医者もいたり、
何が本当か分からなくなることがあるかもしれません!
今回は、そんな分かりにくい
インプラントの治療期間を
ご紹介していきます!
歯を抜いてから、
インプラントによって
その日のうちに
新しい歯が入れば、
そんな嬉しいことはありません。
しかしインプラントは、
顎の骨の中に植えるものです。
つまり、顎の骨の状態によって
すぐに歯を入れられるかが決まるのです。
歯周病が進行してしまって
顎の骨が大きく溶けてしまった場合、
残念ながらすぐに歯を入れることはできません。
インプラントの治療の流れは、以下のような種類があります。
[1]より改変
ということは
通常の流れだと
抜歯してから6ヶ月+2ヶ月で
歯が入るまで8ヶ月程度かかることになります。
すぐに歯が入れられる場合とは、
1.周囲に感染や炎症が存在しないこと
2.周りの骨が大きく溶けてしまっていないこと
3.十分に骨に食い込ませ、その場でしっかりと固定できること
となっています。
つまり
歯周病が進行してしまっていたりすると、
すぐに歯が入らないということ。
どちらかといえば、
すぐに歯が入れられるのは
機会の少ない状況といえます。
しかし、前歯の場合など
抜歯してから早期に
インプラントを植えることも多く、
すぐではないにしろ
数ヶ月の範囲で
早めに歯が入ることもあります。
インプラント治療の流れは
顎の骨の状態によって
大きく左右されます。
すぐに歯を入れて良い
という研究もある反面、[2]
最近の研究では
インプンラントの手術の後に
すぐに歯を被せた場合、
悪くなってしまうリスクが
大きいとも言われています。[3,4]
適切な診査・診断を受けた上で、
しっかりと主治医と相談して
治療の流れを決めていきましょう。
[1] 口腔インプラント治療指針2016
[2] Milillo L, Fiandaca C, Giannoulis F, Ottria L, Lucchese A, Silvestre F, Petruzzi M. Immediate vs non-immediate loading post-extractive implants: A comparative study of Implant Stability Quotient (ISQ) Oral Implantol (Rome) 2016;9:123–31.
[2] Sanz-Sanchez I, Sanz-Martin I, Figuero E, Sanz M. Clinical efficacy of immediate implant loading protocols compared to conventional loading depending on the type of the restoration: a systematic review. Clin Oral Implants Res. 2015;26:964–82.
[3] Zhu Y, Zheng X, Zeng G, Xu Y, Qu X, Zhu M, Lu E. Clinical efficacy of early loading versus conventional loading of dental implants. Sci Rep. 2015;5:15995.