インプラント治療って、何ヶ月もかかるものなの!?

以前にもご紹介した(ブログ

「インプラント治療」。

 

歯を失った部位に行い、

他の歯を削ることなく

元あった歯のように噛むことができる。

そんな、非常に有用な治療法です。

 

さて、インプラント治療の説明を受けたけど、

「何ヶ月もかかる」と言う歯医者もいたり、

「すぐ歯を入れられる」と言う歯医者もいたり、

何が本当か分からなくなることがあるかもしれません!

 

今回は、そんな分かりにくい

インプラントの治療期間を

ご紹介していきます!

 

すぐ歯を入れられるって、本当!?


 

歯を抜いてから、

インプラントによって

その日のうちに

新しい歯が入れば、

そんな嬉しいことはありません。

 

しかしインプラントは、

顎の骨の中に植えるものです。

 

 

つまり、顎の骨の状態によって

すぐに歯を入れられるかが決まるのです。

 

歯周病が進行してしまって

顎の骨が大きく溶けてしまった場合、

残念ながらすぐに歯を入れることはできません。

 

普通は、どれだけ時間がかかるの?


 

 

インプラントの治療の流れは、以下のような種類があります。

  1. 歯を抜いてから、いつインプラントの手術ができるのか
    1. 歯を抜くのと同時に植える(即時埋入)
    2. 歯を抜いて1ヶ月前後で植える(早期埋入)
    3. 歯を抜いた傷が6ヶ月ほどで完全に治ってから植える(通常埋入)
  2. インプラントを植えてから、いつ歯を入れられるのか
    1. インプラントを植えてから1週間以内に歯を入れる(即時荷重)
    2. インプンラトを植えてから2ヶ月以内に歯を入れる(早期荷重)
    3. インプンラトを植えてから2ヶ月以上経ってから歯を入れる(通常荷重)

[1]より改変

ということは

通常の流れだと

抜歯してから6ヶ月+2ヶ月で

歯が入るまで8ヶ月程度かかることになります。

 

すぐに歯が入れられるときの流れは?


 

すぐに歯が入れられる場合とは、

1.周囲に感染や炎症が存在しないこと

2.周りの骨が大きく溶けてしまっていないこと

3.十分に骨に食い込ませ、その場でしっかりと固定できること

となっています。

 

つまり

歯周病が進行してしまっていたりすると、

すぐに歯が入らないということ。

どちらかといえば、

すぐに歯が入れられるのは

機会の少ない状況といえます。

 

しかし、前歯の場合など

抜歯してから早期に

インプラントを植えることも多く、

すぐではないにしろ

数ヶ月の範囲で

早めに歯が入ることもあります。

 

どうやって判断すればいい?


 

 

インプラント治療の流れは

顎の骨の状態によって

大きく左右されます。

 

すぐに歯を入れて良い

という研究もある反面、[2]

最近の研究では

インプンラントの手術の後に

すぐに歯を被せた場合、

悪くなってしまうリスクが

大きいとも言われています。[3,4]

 

適切な診査・診断を受けた上で、

しっかりと主治医と相談して

治療の流れを決めていきましょう。

 

[1] 口腔インプラント治療指針2016

[2] Milillo L, Fiandaca C, Giannoulis F, Ottria L, Lucchese A, Silvestre F, Petruzzi M. Immediate vs non-immediate loading post-extractive implants: A comparative study of Implant Stability Quotient (ISQ) Oral Implantol (Rome) 2016;9:123–31. 

[2]  Sanz-Sanchez I, Sanz-Martin I, Figuero E, Sanz M. Clinical efficacy of immediate implant loading protocols compared to conventional loading depending on the type of the restoration: a systematic review. Clin Oral Implants Res. 2015;26:964–82.

[3] Zhu Y, Zheng X, Zeng G, Xu Y, Qu X, Zhu M, Lu E. Clinical efficacy of early loading versus conventional loading of dental implants. Sci Rep. 2015;5:15995.