卒乳はいつ??授乳で虫歯になるって本当??

赤ちゃんとのふれあえる

癒しの時間でもある授乳タイム。

 

しかし

「長期の母乳授乳が

虫歯を作ってしまうかもしれない」

ということは、ご存知ですか?

 

卒乳は、赤ちゃんにとっても、

お母さんにとっても、一大イベント。

 

あっさり乳離れする子もいれば、

三日三晩泣き続ける子もいますが、

赤ちゃんのお口を守るためには

何がベストなのでしょう。

 

今回は、

長期母乳授乳におけるリスクと、

卒乳の理想の時期についてお話しします。

 

 

 

長期の母乳授乳のリスク


 

まず、

「母乳を長期授乳しているこどもは、

断乳したこどもに比べて、

1歳6ヶ月時での虫歯危険度が高く、

2歳時では虫歯の数や虫歯の経験数が多い」

という統計が示されています。

 

虫歯ができるには、

①虫歯菌

②糖

③歯

の3つが必要になりますが、(参照:虫歯ゼロの取り組み〜マイナス1歳編https://takimori.com/blog/431/

 

①虫歯菌は、身近な人から少しずつ感染し、

18ヶ月の頃、感染の窓が開き、

感染しやすい時期に突入します。

(参照:子供の虫歯は、親からうつる!?)

 

②歯は1歳6ヶ月頃になると、

奥歯も少しずつはえそろってきます。

 

③今回問題になるのは、

この、【糖】です。

 

もちろん、母乳にも糖は含まれます。

授乳で気をつけることは、その時間です。

 

虫歯ができる要素の

3つが揃う時間が

長ければ長い程、

虫歯リスクが高まります。

 

右図のように、

授乳を行うと、

お口の中が酸性になり、

虫歯を作る環境になります。

 

食事やおやつ、授乳、夜間授乳。

その回数が多ければ多い程、

口の中はずっと

虫歯を作り放題になってしまうのです。

 

そして、

2歳児での生活習慣を検討した結果、

「母乳を長期授乳するこどもは

断乳しているこどもに比較して、

間食を不規則に摂取している」

また

「食べ遊びをしているこどもの割合が多い」

ことが示されています。

昼間の飲食のみならず、

夜間授乳となると、

お口の中も休むことができません。

 

空腹のリズムを作ってあげることも大切です。

 

 

卒乳の理想の時期


 

赤ちゃんが

自分から授乳をやめることを

「卒乳」といいます。

 

母子のスキンシップなどの観点から、

自然な卒乳を推奨している場合もありますが、

「歯科の観点」からは、

1歳6ヶ月までには

断乳をオススメします。

 

まとめ


 

分かってはいても、

そう簡単にできないのが

卒乳(断乳)です。

 

断乳を結構してから、

「三日三晩泣き通し」

ということも少なくはありません。

 

なかなか断乳ができない場合は、

おやつや授乳の時間を規則正しく決め、

夜間の授乳はできる限り避けるようにし、

歯磨きは丁寧に行うようにしましょう!

 

虫歯はもとには戻りません。

小さい子供の歯科治療は

子供にとっても大きい負担です。

 

守ってあげることができるのは、

「お母さん」です。

 

1歳6ヶ月までに、

卒乳(断乳)できるよう、

心構えからはじめてみてください。

 

 

参考:山本 誠二 ら (2001) 長期の母乳授乳が乳幼児口腔内状況および生活習慣に及ぼす影響 小児歯科学雑誌  39(4):884-889

井手 有三 ら ( 2005 )1歳6ヶ月児における母乳の飲用状況と口腔内状態 小児歯科学雑誌 43(5):605-612